一般的に「めっき」と聞くと、単一の金属層を表面にコーティングするイメージが強いですが、近年では性能をさらに高めるために「多層めっき」という手法が広く用いられるようになっています。
多層めっきとは、異なる金属や同じ金属でも条件の異なる層を複数積み重ねる技術です。それぞれの層が持つ特性を組み合わせることで、単層めっきでは実現できない性能を引き出すことができます。
イメージとしては、基材の上に「下地層」「機能層」「表層」と順番に積み重なっていく構造であり、各層が役割を分担しながら全体の性能を向上させています。
多層めっきはメリットが多い一方で、いくつかの課題もあります。例えば、異なる層間で発生する応力や熱膨張差により、剥離が起きやすくなることがあります。 また、層の厚み管理が不十分だと、本来期待される特性が得られません。これらを克服するためには、浴組成の制御、工程ごとの洗浄、適切な前処理など、緻密なプロセス管理が欠かせません。
多層めっきは、単層めっきでは得られない性能を実現するための「複合的な設計手法」です。耐食性・導電性・耐摩耗性といった複数の機能をバランス良く兼ね備えることができるため、今後ますます重要性を増していく技術といえます。
多層めっきは当社独自の商品開発にも活かされています。「やきつかナット®/やきつかボルト®」は、独自開発した多層めっきで仕上げた焼き付き(かじり)防止性能の高い商品です。
日本水道協会が規定する「焼き付き防止処理試験」をクリアしており、ボルト・ナットが焼き付くことで発生する交換作業や設備メンテナンスに伴う作業ロスを減らしつつ、
設備寿命の延長に貢献します。
詳しくは 当社のめっき技術ページ をご覧ください。
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