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- 銅めっきの基礎と応用:特徴、用途、めっき液の種類
1. 銅めっきとは?
金属表面処理の一つである銅めっきは、電子部品や装飾品、自動車部品など幅広い分野で活用されています。銅は電気伝導性と熱伝導性に優れ、展延性が高いため、さまざまな用途に適しています。
しかし、酸化しやすく、表面保護が必要となる場合が多いため、ニッケルやクロムめっきの下地として使用されることが一般的です。
本記事では、銅めっきの特徴や用途、使用されるめっき液の種類について詳しく解説します。
2. 銅めっきの特徴と用途
- 他の金属めっきの下地: シアン化銅めっきを施した後、硫酸銅めっきでレベリング性を高め、その上にニッケル・クロムめっきを行う。自動車エンブレムや各種装飾部品に利用。
- 銅の装飾めっき: プラスチックや金属製品に適用され、金属光沢を持たせる。
- プリント配線板(PCB)への適用: スルーホールやビアホールへの導通確保。
- 半導体製造プロセス: 微細回路の形成や電極の形成。
- 遮蔽効果を持つ電磁波シールド: 一部の電子部品や筐体の電磁波対策。
- 電池電極への応用: 二次電池や燃料電池の電極材料として使用。
3. 銅めっき液の種類
硫酸銅めっき浴の特徴
- 低コストで広範囲の用途に適用可能。
- レベリング性(平滑性)が高く、なめらかな表面を形成。
- スルーホールの銅めっきや、半導体の金属配線形成に適用。
- ただし、鉄などの基材に直接適用すると置換反応が発生しやすく、密着性が低下するため、適切な下地処理が必要。
シアン化銅めっき浴の特徴
- 置換反応が発生しないため、鉄や亜鉛合金に直接めっき可能。
- アルカリ性であるため、処理後の廃液管理が厳格に求められる。
- 高い密着性が求められる用途(自動車部品の下地処理など)に適用。
- ただし、毒性が高いため、安全管理が重要。
4. 重要ポイント
- めっき液の選定:硫酸銅めっきはレベリング性が高く仕上げに適し、シアン化銅めっきは密着性が高く鉄や亜鉛合金に適用可能。
- 基材の前処理:酸洗いやエッチングを適切に行い、密着性を確保する。
- めっき後の処理:酸化防止のため、ニッケルやクロムの上層めっきを施す。
5. まとめ
銅めっきは、電気伝導性や密着性を活かした下地処理や装飾用途、電子部品向けの導通確保など、多様な場面で活用されています。適切なめっき液を選択し、基材の処理や後処理を適切に行うことで、銅めっきの性能を最大限に引き出すことができます。
今後の発展として、より環境負荷の少ない銅めっき技術や、特殊な銅合金めっき技術の開発が進んでいくことが期待されています。
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